この記事では、処暑について次の内容をお伝えします。
- 処暑の意味と2023年はいつなのか
- 二十四節気と処暑の七十二候
- 時候のあいさつ
処暑の意味や七十二候を知ることで、処暑がどんな時季なのかを理解することができます。
処暑とは?
処暑とは、暑さが終わるころのこと。
朝夕には涼しい風が吹きわたり、夜には虫の声に秋の気配がします。
2023年の処暑はいつ?
- 2023年の処暑は 8月23日
- 期間 2023年8月23日~9月7日ころ
処暑の日付けは毎年同じわけではありませんが、1日前後するだけでほぼ固定しています。
日付が変わる理由は、二十四節気の一つである処暑は太陽の動きを基準にした太陽暦(太陽の季節点)で決めているからです。
時候のあいさつ
「時候のあいさつ」とは、季節を表すあいさつの言葉で手紙の書き出しにに使います。
【処暑のころ例文】8月下旬~9月上旬
- 立秋とは名ばかりで暑い日々が続きますが
- 処暑の候、まだまだ暑さは続いておりますが
- 虫の声とともに秋の気配を感じる日々ですが
二十四節気と七十二候
二十四節気とは一年を24に分け、七十二候はさらに細かく一年を72に分けて旬の草花や生き物など季節の移ろいを表現しています。
ここからは、立秋の七十二候(初候・次候・末候)を詳しくご紹介します。
処暑【初候】第四十候
【新暦】8月23日~27日ころ
・綿柎開(わたのはなしべひらく)
(意味)綿の実を包むガクが開くころ
旬の句
ひさかたの 雨も降らぬか 蓮葉に たまれる水の 玉に似たる見む(万葉集)
【旬の花木】
綿花 7月~8月に開花してから約50日で実が熟し、その実がはじけて白い綿毛が現れます。この綿毛を繊維として衣類などに利用しています。
古代ギリシャ人は、綿毛の花を見たことがなかったため「羊毛が生える木がある」と本に書いています。
【旬の果物】
すだち 旬は8月~9月。酸味が強すぎず、さっぱりさわやかな味です。ビタミンCやクエン酸も豊富で、美容や疲労回復にも効果があります。
自家製ポン酢の作り方
- すだちの果汁を絞って布でこす
- しょう油とすだち1:1で混ぜ合わせる
- お酢とみりんを少量加える
【旬の生き物】
赤トンボ 6月中旬~下旬にかけて水辺で羽化し、群れをなして山地や高原に移動。成虫して間もない頃は茶に近い橙色の体ですが、山で過ごすうちに赤色へと成熟していき8月下旬~9月上旬にかけて、平地に戻ってきます。
主な記念日
- 8月23日 白虎隊自刃の日
- 8月24日 ラグビーの日
- 8月25日 川柳発祥の日
- 8月26日 レインボーブリッジの日
- 8月27日 『男はつらいよ』の日
処暑【次候】第四十一候
【新暦】8月28日~9月1日ころ
・天地始粛(てんちはじめてさむし)
(意味)ようやく暑さが収まるころ
旬のうた
朝顔は 朝露おいて 咲くといへど 夕影にこそ 咲きまさりけれ(万葉集)
【旬の花木】
あさがお ヒルガオ科サツマイモ属の植物です。種子は下剤として薬用になりますが、一般の人が作ることは非常に危険です。
江戸時代には朝顔ブームが起こり、珍しい品種は高額で取引されていました。一般市民にも広がり、それが東京・台東区の真源寺で行われる「入谷朝顔まつり」になっていきました。
【旬の果実】
ぶどう 旬は8月~10月。甲州、巨峰、ピオーネ、デラウェアなどさまざまな品種があります。選ぶ時のコツは、軸がしっかりとして、実の表面に白い粉がふいているもの。
ブドウの甘みは吸収されやすく、すばやく疲れをとってくれる効果があります。
【旬の兆し】
野分(のわき)野を分け草木を吹き分ける荒々しい風のこと。古い時代には台風のことを「野分」と呼んでいました。台風の吹き荒れるようすが『枕草子』に記され、『源氏物語』第二十八帖の巻名となりました。
主な記念日
- 8月28日 民放テレビスタートの日
- 8月29日 文化財保護法施行記念日
- 8月30日 冒険家の日
- 8月31日 野菜の日
- 9月1日 防災の日
処暑【末候】第四十二候
【新暦】9月2日~6日ころ
・禾乃登(こくものすなわちみのる)
(意味)稲が実るころ
旬のうた
同じ野の 露にやつるる 藤袴 哀れはかけよ かことばかりも(源氏物語)
【旬の花木】
藤袴(ふじばかま)秋の七草のひとつで『万葉集』や『源氏物語』にも登場しています。生草のままだと無香ですが、乾燥させると桜餅のようなほのかな香りがします。
環境の変化で数が減り続けているため、京都のテレビ局が「守ろう、藤袴プロジェクト」と題し、たくさんの藤袴を京都のあちこちに植える活動を行いました。
【旬の食材】
稲 稲はもともと中国の野生種で、日本に伝わってきたのは縄文時代です。稲は田植えから約100日目で穂が出て、すぐに花が咲きます。花が咲いている時間は午前中からお昼までの2時間~3時間の間で、自家受粉してお米となる種子を実らせます。
ことわざで「実るほど頭を垂れる稲穂かな」ということばがあります。これは、実った米で重たくなった稲穂の様子を人間にたとえ、人格者ほど謙遜になる、という意味です。
【旬の虫】
まつむし スズムシと並んで、秋に鳴く代表的な虫で、チンチロリンと鳴く声が歌にもなっています。平安のころ、虫の声を楽しむ「虫選び」や、虫の鳴く声を競い合う「虫合わせ」などの遊びがありました。
主な記念日
- 9月2日 宝くじの日
- 9月3日 ホームラン記念日
- 9月4日 関西国際空港開港記念日
- 9月5日 国民栄誉賞の日
- 9月6日 黒の日
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処暑とは? まとめ
最後までお読みいただきありがとうございました。
処暑の意味や2022年の期間、二十四節気と処暑の七十二候、時候のあいさつについてご紹介しました。
秋の虫の声を聞きながら、暑かった夏の思い出に浸るのもいいものですね。
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