この記事では、節句(せっく)について次の内容をお伝えします。
- 節句とは季節の「節目の日」のこと
- 五節句は奇数月のゾロ目で祝った!
1年に5回ある5節句について順番にご紹介します。
節句とは「季節の節目の日」のこと
節句とは、「季節の節目の日」のことです。
節句の日には無病息災・豊作・子孫繁栄などを願って、お供えものをして邪気を払います。
節句は1年に5回あり、これを「五節句」といいます。
「節供」とも言い、季節の変わり目に神様にお供えする食物を共にすることで、人々がきずなを強める行事でもあります。
五節句については一覧表を参考にしてください。
【五節句の一覧表】
節句 | 読み方 | 月日 |
人日の節句 | じんじつのせっく | 1月7日 |
上巳の節句 | じょうしのせっく | 3月3日 |
端午の節句 | たんごのせっく | 5月5日 |
七夕の節句 | たなばたのせっく | 7月7日 |
重陽の節句 | ちょうようのせっく | 9月9日 |
五節句は奇数月のゾロ目で祝った!
五節句は、1月7日、3月3日、5月5日、7月7日、9月9日です。
1月7日以外は、いずれも奇数月で、しかも月と日にちが同じ、つまり「ゾロ目」です。
これは、中国の陰陽五行説からきており、奇数=陽(発展)とされ、奇数は縁起の良い数字とされます。
しかし奇数が重なると陰になるため、節句の日には、陰を取り除くためにいろいろな行事が行われるようになりました。
現在では、季節を楽しむ行事として定着しています。
ここからは、ひな祭りや子どもの日など、日本の四季を彩る五節句について順番にお伝えします。
人日(じんじつ)の節句
1月7日は、五節句の始まりである「人日の節句」です。
この日に七草粥を食べることから「七草の節句」とも呼ばれます。
「人日の節句」ゾロ目でない理由は中国の占いにあった
五節句の月日は奇数月のゾロ目ですが、「人日の節句」はゾロ目ではありません。
その理由は、中国の占いにあります。
中国では正月の1日から順に占いを立てていました。
1月1日は鶏の日、2日は犬、3日は・・・。
7日は人の日として、人の占いを始めたそうです。
それぞれの日には、その日に当たる動物は大切にされていました。
1月7日は「人日」として人を大切にする日とし「人日の節句」が制定されました。
そして人日の節句の日は、犯罪者でも刑罰は行わない日とされていました。
【占い日にあてはまる動物や人】
1月1日 | 鶏(とり)の日 |
1月2日 | 犬(いぬ)の日 |
1月3日 | 猪(いのしし)の日 |
1月4日 | 羊(ひつじ)の日 |
1月5日 | 牛(うし)の日 |
1月6日 | 馬(うま)の日 |
1月7日 | 人(ひと)の日 |
【行事食】
人日の節句には『七草がゆ』を食べます。
1年で最初の節句には七草でおかゆを作って邪気をはらう習慣がありました。
『春の七草』は次のとおりです。
上巳(じょうし)の節句
上巳の節句は3月3日のひな祭りのことです。
「桃の節句」とも呼ばれる女の子の節句で、ひな壇をかざり、女児の誕生を喜び末永く幸せであるように祈る行事です。
昔は、3月初めの巳の日に雛を飾ったことから上巳という名が残りました。
【行事食】
ひなあられ・ひし餅・はまくりのお吸い物・ちらし寿司
端午(たんご)の節句
5月5日は「端午の節句」です。
男の子の健やかな成長を願う行事とされています。
5が陽数(奇数)であり、3月3日の重三、9月9日の重陽と同じで、陽数が並ぶので重五とも呼ばれています。
中国では、5月初めの午の日に菖蒲を薬草として使われていたことから、「菖蒲の節句」ともいい、菖蒲=尚武で、男の子のお祭りとされました。
また、5月5日を『こどもの日』とし、国民の祝日にもなっています。
【行事食】
柏餅・ちまき
七夕(しちせき)の節句
7月7日は七夕の節句です。
七夕は、「しちせき」または「たなばた」といいます。
この日は、女性が裁縫の上達を祈る星まつりとして長い間続いていおり、現在も短冊に願い事を書いて、笹にぶら下げる習慣があります。
また、この日が農作業にとっても大事な時期であり、神様に秋の豊作を願ったり、人々のけがれをはらう行事でもあります。
重陽(ちょうよう)の節句
9月9日は「重陽の節句」です。
「菊の節句」「9月節句」ともいい、菊に長寿を祈る日です。
また、重陽は陽数の9が重なるため、『めでたい日』とされました。
中国では、菊の花は邪気をはらい、長寿の効果があると信じられており、この日は、菊花を浮かべた酒を飲み、栗飯を食べて邪気をはらいました。
【行事食】
菊酒・栗ごはん・なす料理
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最後までお読みいただきありがとうございました。
- 節句とは季節の「節目の日」のこと
- 五節句は奇数月のゾロ目で祝った!
- 人日の日はゾロ目でなく占いで決めた特別な日
ひな祭りや子どもの日など、日本の四季を彩る五節句を大切にしていきたいですね。
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