この記事では、赤飯(せきはん)について次の内容をお伝えします。
- 赤飯を食べる意味と由来
- どんな日に赤飯を食べるのか?
- 赤飯に南天を飾る理由
- 地域によって個性的な赤飯がある
赤飯の赤い色が持つ特別な意味や由来を知ることで、お祝いの日に赤飯を食べる理由が理解できるようになります。
赤飯を食べる意味と由来
赤飯を食べる意味や由来についてお伝えします。
- 赤飯を食べる意味は、赤飯の赤色は神聖な意味をもつ特別な色で作られており縁起がいいため、お祝いの行事に食べられています。
- 赤飯の由来は、古くから神様にお供えしていた赤米が赤飯に変わり、神事や祝い事に用いられるようになり現在もその風習が残っています。
ここからは、赤飯の意味と由来について、もう少し詳しくご紹介したいと思います。
ポイント2つ
- 赤飯の「赤色」は特別な色
- 赤飯のルーツ(由来)
①「赤色」は特別な色
赤飯の赤い色には、とても重要な意味がかくされています。
日本では古くから、赤い色には「邪気をはらう力がある」といわれ「赤は縁起がいい色」として、お祝いの行事に使われてきました。
現在でも、お祝いの席では赤い色がたくさん使われていますね。
例えば、
- お雛様の段飾り
- 還暦のお祝いに着る赤いチャンチャコ
- 結婚式のバージンロードなど
どれもおめでたい行事で、縁起のいい色として赤色が使われています。
その他に赤い色は、災いを避けたり、魔除けの色と考えられ、神社仏閣や宮殿などで多く使われています。
京都の伏見稲荷神社には、千本の赤い鳥居(正式には朱色)が並んでいますが、鳥居を通ることで、「願いごとが通るように」など、祈りを込める神聖な場所であることがわかります。
やはり「赤は特別な色」として古くから大切に考えられてきたことが理解できますね。
②赤飯のルーツ(由来)
赤飯を食べるルーツは、「神様にお供えをする風習がそのまま残った」とされています。
そして、そのルーツは、はるか縄文時代までさかのぼり、中国大陸から伝わってきたインディカ種という、炊くと赤い色になるお米が赤飯のはじまりです。
インディア種は、昔の人が食べていた古代米の一つとして現在も販売されている「赤米」と同じようなお米です。
当時は米は貴重な食糧でしたので、まずは神様にお供えして神事が終わったらみんなで分け合って食べていたそうです。
その後、稲作が日本に広まっていき、しだいに味もよくなり、改良されジャポニカ種に変わっていきましたが、神様にお供えするのは「赤いお米」という風習がそのまま残り、それが赤飯となっています。
どんな日に赤飯を食べるのか?
赤飯が用意された日は、「今日は何かいいことある!」
て感じたことはありませんか?
実際に赤飯を食べる日は「節目の日」や「特別な日」など、お祝いの日であることが多いようです。
お祝いの日に赤飯を食べる理由については、「赤飯の由来」でお伝えしたように、赤い色は特別な色であり、お祝い日にふさわしい食べ物であることがおわかりいただけたと思います。
それでは、「節目の日」や「特別な日」とはどんな日があるのか具体的にご紹介しますね。
節目の日
- 元旦(1月1日)
- 成人の日(1月の第2月曜日)
- 上巳の節句(3月3日)
- 春のお彼岸(3月21日ごろ)
- 端午の節句(5月5日)
- お盆(8月13日~16日)
- 敬老の日(9月の第3月曜日)
- 秋のお彼岸(9月23日ごろ)
- 大晦日(12月31日)
特別な行事
- 帯祝い・出産祝い
- 誕生祝・お食い初め
- 七五三
- 入学・卒業祝い
- 成人祝い
- 就職祝い
- 上棟式や新築
- 引っ越し祝いなど
- 還暦祝い
- 古希・喜寿・米寿
- 白寿祝いなど
赤飯を食べる日は「お祝いの日」が多いですが、赤飯を食べることで縁起直しをすることがあります。
縁起直しとは? 縁起が悪い出来事や不吉な出来事があったときは、赤飯を食べて縁起直しをすることがあります。葬式や法事などの仏事に赤飯が出されることもありますが、これは故人が天寿を全うしたことや大往生を遂げたことを祝う意味があります。
赤飯に飾る南天の葉の意味
赤飯の上に「南天の葉」を飾ることがありますが、それにもハッキリした意味があります。
その意味とは、
- 難を転じる
- 食物の腐敗を防ぐ
南天は、古くから「難を転ずる」といわれ縁起のいいものとされています。家の鬼門に植えたり、お正月飾りとしても使われていますね。
そして、南天の葉には昔から食物の腐敗を防ぐとされており、薬草としても利用されています。
南天の葉は、ただの飾りではなく、お祝いのために用意された赤飯が腐らないように置かれていたのですね。
地域によっていろんな赤飯がある
一般的な赤飯は小豆と炊いた赤い色が多いようですが、地域によっては違った材料と炊いたり、食べ方も様々で、白い色もあります。
赤飯にまつわる風習は、いろんな形で日本各地に存在していますが、ここでは7つの地域の代表的な食べ方をご紹介します。
【赤飯の地域性】
北海道 | 甘納豆を蒸しあがった赤飯に混ぜたり添える |
秋田県 | 大量の上白糖を入れた非常に甘い赤飯をつくる |
青森県 | 砂糖を使用した甘めの味付け |
新潟県 | 「醤油赤飯」と呼ばれ五目おこわのように 茶色に近いため「醤油おこわ」とも呼ばれる |
長野県 | 花豆を使う |
千葉県 | 特産の落花生を使う |
東京都 | アズキの代わりにササゲを使う |
福井県 | 「さといも赤飯」と呼ばれ サトイモのころ煮と、もち米・小豆と一緒に煮る |
徳島県 | 「ごま砂糖」をかけて食べる |
11月23日はお赤飯の日
「お赤飯の日」て、ご存じでしょうか?
一般的にはあまり知られていないようですが、11月23日は「お赤飯の日」と制定されています。
現代では11月23日は「勤労感謝の日」として祝日になっていますが、「新嘗祭(にいなめさい)」の日でもあり、収穫した穀物を神様にお供えする大切な日です。
「お赤飯の日」の由来としては、元気で働ける感謝の気持ちを持って、お赤飯を食べてほしいとの思いが込められています。
赤飯には特別な意味があった
最後までお読みいただきありがとうございました。
赤飯の意味や由来についてご紹介しました。
赤飯の赤い色は特別な色で、古い歴史があったことがおわかり頂けたでしょうか?
お祝いの席などで赤飯を見かけたら、今回ご紹介した意味やルーツも思い出していただけけると幸いです。
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