この記事では、穀雨(こくう)について次の内容をお伝えします。
- 穀雨の意味と2023年はいつ?
- 二十四節気と穀雨の七十二候
- 手紙に使える春の挨拶
穀雨の意味と七十二候を知ることで、穀物にとって大切な雨を降らせる穀雨について詳しく理解することができます。
穀雨(こくう)とは?
穀雨とは、たくさんの穀物を育てる春の雨が降るころのこと。
春の雨は穀物にとって恵みの雨です。
穀雨は、春の最後の二十四節気で、ひと雨ごとに緑が深くなり、やがて新緑の季節へと移り変わっていきます。
春の雨の名まえ
穀雨以外にもさまざまな雨の名まえがあります。
- 瑞雨(ずいう)穀物を育む雨
- 甘雨(かんう)草木をうるおす雨
- 春霖(しゅんりん)春の長雨
- 催花雨(さいかう)早く咲いてと花に促す
- 菜種梅雨(なたねづゆ)菜の花が咲くころに降る
- 卯の花腐し(うのはなくたし)卯の花が咲いている頃に長く降りすぎて花が腐ってしまう
2023年の穀雨はいつ?
穀雨の日付けは毎年同じわけではありませんが、1日前後(19日か20日)するだけでほぼ固定しています。
二十四節気と七十二候
穀雨は二十四節気の一つです。
二十四節気は一年を二十四に分け、季節の名まえが付けられています。それぞれの季節には6つの節気があり、春の節気は立春・雨水・啓蟄・春分・清明・穀雨です。
穀雨は春の最後の節気で、穀雨が終わるといよいよ夏を迎えます。
七十二候
七十二候は、二十四節気を五日ごとに分けて、旬の草木や食べ物など季節の移ろいを細かく表現しています。
ここからは、穀雨の七十二候(初候・次候・末候)で、詳しくご紹介します。
穀雨【初候】第十六候
【新暦】4月19日~24日ごろ
・葭始生 (あしはじめてしょうず)
(意味)水辺の葭(あし)が、芽を吹きはじめるころ。
旬の句
日の暮れや 葦の花にて 子をまねく(一茶)
【旬の花木】
葦(あし)・葦牙 水辺に出た葦の若芽が、水面に出た牙のように見えるため葦牙と呼ばれます。葦牙は食用になり、茎は堅いため、すだれの材料になります。
葦の芽は中が空洞になっていることから、「よしのずいから天井をのぞく」という言葉が生まれました。
【旬の花木】
山吹 晩春になると黄色の五弁花を咲かせます。山間の湿地などに群生して暗褐色の実をつけますが、庭木に多い八重咲の山吹は実をつけません。深い山吹色は、日本固有の色です。

主な記念日
- 4月19日 地図の日
- 4月20日 郵政記念日
- 4月21日 民放の日
- 4月22日 アースデー(地球の日)
- 4月23日 地ビールの日
- 4月24日 日本ダービー記念日
穀雨【次候】第十七候
【新暦】4月25日~29日ごろ
・霜止出苗(しもやみてなえいづる)
(意味)霜が終り稲の苗が育つころ。
旬の句
蓬萌え おほばこの葉も 遅速なく(汀女)
【候のことば】
稲の種とは? お米とは、稲の実のこと。その実を籾(もみ)といい、籾の殻をとると玄米になります。その玄米からさらに米ぬかの部分をとったのが、白米。
もともとの実である籾を土に蒔けば芽が出て稲が育ちます。秋に収穫された籾を、翌年の種にとっておいたものが、種籾と呼ばれる稲の種です。
【旬の食べ物】
草餅 よもぎの若葉をすりつぶして混ぜた餅に、あんの入った和菓子です。もとは旧暦3月3日の桃の節句に食べた物です。
よもぎの葉は漢方では艾葉(ガイヨウ)と呼ばれ、止血などに使います。よもぎの葉の裏にある毛は、艾(もぐさ)として、お灸をすえるときの材料として使います。
【旬の魚介】
いとより 旬は春~初夏。淡い紅色に黄色と白の帯が走り、光沢のあるきれいな魚です。その白身は上品な味わいで、関西では鯛に並ぶお祝いのごちそうです。
主な記念日
- 4月25日 国連記念日
- 4月26日 海上自衛隊の日
- 4月27日 哲学の日
- 4月28日 象の日
- 4月29日 昭和の日
穀雨【末候】第十八候
【新暦】4月30日~5月4日
・牡丹華(ぼたんはなさく)
(意味)牡丹の花が咲く
旬の句
牡丹散て 打かさなりぬ 二三片(蕪村)
【候のことば】
八十八夜 立春から数えて八十八日目の夜で、もうすぐ初夏を迎える時期です。米という文字は、八と十と八を重ねてできあがることから、縁起のいい農の吉日とされています。八十八夜に摘んだ茶葉は、長寿の薬とも言われています。
【旬の花木】
牡丹 開花時期は4月~5月。花の王である牡丹は「花王」と呼ばれ、昔から人気の園芸品種です。牡丹は紋所にも使われ、とても種類が多い人気花です。
花の王は牡丹で、花の宰相と呼ばれるのは芍薬(しゃくやく)です。「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」という美人の姿をほめたたえることばがあります。
主な記念日
- 4月30日 図書館記念日
- 5月1日 メーデー
- 5月2日 郵便貯金創業記念日
- 5月3日 憲法記念日
- 5月4日 みどりの日
手紙に使える春の挨拶
【三月】
- 寒さもやっと少しはゆるんできたようで
- 暑さ寒さも彼岸までと申しますが
- 春霞のただよう季節となりました
- 桃の節句も過ぎ、寒さもゆるんでまいりました
- 桜のつぼみもふくらみはじめ
【四月】
- 春爛漫の季節を迎えました
- 春たけなわの季節となりました
- 春眠暁を覚えずと申しますが
- 花吹雪が舞うこの頃
- 今日はあたたかな春雨が煙っています
- 朧月夜の美しいこの頃
【五月】
- 向暑のみぎりでございますが
- 青葉繁れる好季節を迎え
- 気持ちのいい五月晴れがつづきますが
- 八十八夜も過ぎ、夏の訪れを感じる頃と
- 新茶のおいしい季節となりました
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穀雨とは? まとめ
最後までお読みいただきありがとうございました。
穀雨の意味や時期、二十四節気と七十二候(初候~末候)、手紙に使える春の挨拶についてご紹介しました。
爽やかな新緑の季節は、恵みの雨も楽しみたいものですね。
コメント
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