この記事では、啓蟄(けいちつ)について次の内容をお伝えします。
- 啓蟄とは虫たちが目を覚ますころ
- 2023年の啓蟄はいつ?
- 啓蟄の七十二候・旬の草花や生き物
啓蟄の七十二候を知ることで、啓蟄とはどんな時季なのかを理解することができます。
啓蟄(けいちつ)とは?
啓蟄とは、冬ごもりしていた虫たちが、目をさまして姿を現すころです。
桃の花が咲き、ウグイスの声も聞こえて、春の扉が大きく開く季節です。
海辺には、清楚な淡い紫色の花びらをした浜大根が華やかに咲いています。
2023年はいつ?
・2023年の啓蟄 3月6日 ・期間 2023年3月6日~3月21日ごろ
*啓蟄の日にちは1日前後することがありますが、3月5日か3月6日で、ほぼ固定されています。
啓蟄の日付が変わる理由は、二十四節気の一つである啓蟄は太陽の動きを基準にした太陽暦(太陽の季節点)で決めているからです。
二十四節気と七十ニ候
二十四節気とは1年を24に分けたもので、啓蟄は春の節気の一つです。 七十二候は、二十四節気をさらに細かく72に分け、季節の草花や生き物、旬の食べ物などを細かく表現しています。
ここからは、啓蟄の七十二候の初候~末候を順番にご紹介します。
啓蟄【初候】第七候
【新暦】3月5日~9日ごろ
・蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)
(意味)冬ごもりの虫が出てくる
【旬の句】
山路来て なにやらゆかし すみれ草 (松尾芭蕉)
【旬の草花】
菫(すみれ)春先にラッパのような形の花を咲かせる菫は、5枚ある花びらは下1枚だけが大きいのが特徴です。独特の花の色から菫色(すみれいろ)という色が生まれました。
菜花 2月~3月にだけ出荷される旬の野菜でビタミンCやミネラルが豊富です。名前の由来は食べられるという意味からで、加熱してから冷蔵すると長持ちします。野沢菜、白菜、カブも黄色の花を咲かせる菜花の種類で、大根は「白い菜花」と呼ばれています。
【旬の虫】
やまとしじみ 本州以南に生息する小さな蝶で春から秋にかけて見ます。幼虫のえさはかたばみの葉。名前の由来は、羽根を開いたようすが、しじみ貝を開いたようにみえることからつきました。
【旬の野菜】
わらび・ぜんまい 春の訪れを感じさせる山菜。わらびは3月~5月に日当たりの良い草原などに群生し新芽を摘まんで食べます。ぜんまいの旬は3月~6月で、山裾や沢沿いなどの湿った場所に自生しています。
主な記念日
- 3月5日 ミスコンの日
- 3月6日 世界一周記念日
- 3月7日 消防記念日
- 3月8日 国際女性デー
- 3月9日 記念切手発行記念の日
啓蟄【次候】第八候
【新暦】3月10日~14日ごろ
・桃始笑(ももはじめてさく)
(意味)桃の花が咲きはじめるころ
【旬の句】
風さそふ 花よりもなほ 我はまた 春の名残を いかにとかせん(浅野内匠頭)
【旬の花木】
桃の花 3月下旬~4月上旬(旧暦3月3日ごろ)に開花します。梅や桜と同じように葉がでる前に花が咲きます。弥生時代の遺跡から桃の核が出土し、古くから日本にあったことがわかりました。 水分が多いため、平安、鎌倉時代には夏の「水菓子」と呼ばれていましたが、当時の桃はそんなに甘くなかったそうです。
【旬の魚介】
帆立貝 旬は産卵前の3月ごろ。名前の由来は海中をすばやく移動することができ、そのときに二枚貝の殻を勢いよく開く姿から帆立貝と呼ばれています。 大きく美しい貝殻はヨーロッパで広く美術品にも使われ「ヴィーナスの誕生」にも登場しています。
【旬の行事】
春日祭 3月13日に奈良の春日大社で行われる、1年でもっとも大事な祭りです。春日大社は藤原氏の氏神で、849年に祭がはじまり、明治19年に今の形に復興されました。
主な記念日
- 3月10日 東京都平和の日
- 3月11日 東日本大震災発災の日
- 3月12日 サンデーホリデ―の日
- 3月13日 青函トンネル開業記念日
- 3月14日 ホワイトデー
啓蟄【末候】第九候
【新暦】3月15日~19日ごろ
・菜虫化蝶(なむしちょうとなる)
(意味)冬を過ごしたさなぎが羽化して蝶になるころ
【旬の生き物】
紋白蝶(もんしろちょう)気温が15度になると蝶に変わり花畑を舞い始め、2週間ほどの短い寿命の間に産卵します。生まれた青虫は食欲が旺盛で4~5回脱皮する間にキャベツの葉などを食い荒らします。この青虫がサナギから蝶になることを秋まで繰り返します。冬を迎えたサナギは冬眠して、また春を待ちます。
【旬の花木】
シロツメクサ 別名「クローバー」白い花を咲かせるマメ科の多年草で、通常の葉は3枚ですが、4枚の葉の「四葉のクローバー」は、しあわせをもたらすと言われています。これは、遺伝性のほかに、成長過程で1枚の葉が2枚に分かれることで4枚になりますが、まれに5枚以上の葉もあります。
【旬の野菜】
葉わさび 旬は3月~4月。さわやかな辛みを持ちます。
葉わさびのしょうゆ漬け 作り方
- 水洗いして3㎝ほどに切る
- ザルに入れて沸騰したお湯をサッとかける
- タッパーなどの容器に移してよく振る(葉が叩かれて辛みが増す)
- ビンに詰めて(風味がぬけない)、味を見ながらしょう油をかける
【旬の行事】
十六団子の日 3月16日は、田の神さまが山から里に下りてくる日で、16個の団子を作ってもてなしました。田の神荒れといって、この日は天候が荒れやすく神さまに出くわさないよう田んぼに行ってはいけないことになっていました。
精霊の日 3月18日「しょうりょう」と読み、死者の霊魂のことを表します。万葉集の歌人「柿本人麻呂」、女流歌人「和泉式部」、小野小町の命日です。「彼岸の入り」でもあり、仏壇の掃除やお供え物などの準備をして先祖の供養を行います。
主な記念日
- 3月15日 涅槃会
- 3月16日 十六団子の日
- 3月17日 いなりの日
- 3月18日 精霊の日
- 3月19日 ミュージックの日
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啓蟄とは? まとめ
最後までお読みいただきありがとうございました。
啓蟄の意味や2022年の時期、二十四節気と七十ニ候で啓蟄の特徴をご紹介しました。
二十四節気の一つである啓蟄は、長い間ねむりについていた虫が目をさまして動き出すころでしたね。
のどかな季節に、のんびり日なたぼっこを楽しんでみませんか?
コメント
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